整体技術
公開日:2016.10.08

【整体技術】小説「頭痛が治った日」①

整体を受けて頭痛が治ったある患者さんのお話をしましょう。彼女は35才の石田ゆうこさん。家事手伝いで自宅療養中の女性である。日だまり整体院に来て1年前・・・

夏の日、運命の電話が鳴った。

1年前の8月の終わりでした。夏の日差しは中央公園のセミの声とともにアスファルトを焦がしていた。僕は、カーテン越しから公園の風景を覗いて、ベンチにいる人を見やった。おばあさんたちは散歩の途中で公園で休んで行くのだ。何もやることなくてただ空気を見つめて夏の日差しを受けて座っている。普通に元気なように見える人でも本当はどんな闇を抱えて生きてるか?わからない。公園の中にある児童館から子育てのママが出てきて子供を追いかけている。どんなに辛い状況でも生活をしていかなければならない。そんな人々の暮らしを励ますようにますますセミの声は大合唱になって中央公園いっぱいに響き渡った。

治療院の電話が鳴った。

「はい。日だまり整体院です。」

「あの〜ホームページを見て電話したんですけど、、、、、石田と言います。予約をしたいんですけど、、、、」

不安そうな優しそうな女性の声だった。彼女は、頭痛で苦しんでいてなるべく早く受けたいという。病院で薬を処方されたが、薬の治療には苦しめられてもうイヤだから助けてほしいという切実な叫びが電話口の小さな声で分かった。

予約の電話を受けて受話器を置いた。セミの声は少し鳴き止み日差しは夕方へと向かう3時少し前、次の患者さんの車が整体院の駐車場に入ってきた。小学生からの頭痛がなくなって喜んでいた都築さんだ。どれだけの時間を頭痛という痛みで過ごしてきたんだろう?今まで2人の子を育て40年間も苦しんできたことを思うと彼女の笑顔が仏に見える。どうか人生の後半は、頭痛のないさわやかな時間にしてほしい。僕みたいな人間でも少し世の役にたててることが何より嬉しい。患者とともにこの時間に生きてる絆です。本当にありがとう。

治療を終えて家に帰る道すがら、お昼に電話のあった石田さんのことを思い出した。八方塞がりの人生が明日やってくる。今日は早めに寝よう。明日は公園を散歩して神社でお参りして治療にのぞもうと決心した。夜空の星は、優しいメロディーを奏でるようにきらめいていた。

初診の日

8月25日。晴れ。昨日と同じようにセミは朝から大合唱だ。何かが始まるように7時の公園をライブハウスにしている。僕は一人公園の林を歩き、木々の吐き出した綺麗な酸素をいっぱい吸って今日を始める。もう何回、この神社をお参りしただろう。患者さんが来なくてお参りしていた日々もあった。頭痛治療をして人を救えるようになった充実感とともに見えないオモリが背中に乗っている。公園の空に手をかざし、トゥイ〜と叫んだ。大自然へのあいさつだ。僕ら人間は、大自然の一部として生きている。同じ時代に生まれ、同じ時間に呼吸をしている。僕の吐き出した二酸化炭素を木々が風に揺れながら嬉しそうに受け取ってくれる。僕らは仲間だ。大自然と共に治療をするのだ。深呼吸をして夏の空に誓った。

今日患者さんトップバッターは、岡田さん。彼女も小学生から偏頭痛で苦しんでいた女性だ。西尾市のびっくりドンキーでもバイトしたことある笑顔がモデル級のOLさん。ストレートネック用に開発した枕の日だまり専属モデルをやってもらってる。ずいぶん頭痛が少なくなってのでメンテナンスで通ってもらってる。今日も大笑いの30分になった。岡田さんは、彼氏ともうすぐ結婚で海外旅行の計画を立てている。頭痛がないので、新婚旅行もすごい楽しみだととてもうれしそうだった。こんなにはハッピーそうな笑い声の裏に苦労してきた頭痛の人生がある。彼女は、初診の時彼氏と待合い室のソファーで座って問診を受ける時、あまりにもチャラかったので通わないだろうな!と思った。そして問診中も「ここ高いもん!」といきなり値段が高いこと声高に訴えていた。これは強烈な子が来たな〜と思ったら、今は上等な優良患者である。整体院のモデルまでやってもらってる。不思議である。人生とはどうなってる本当にわからない。

9時15分過ぎに一台黒いワンボックスカーが整体院の駐車場に入って来た。岡田さんを治療しながら「あ〜石田さんだな」と思った。ワンボックスカーからは、母と娘らしき女性の影がカーテン越しに見える。少し不安そうな後ろ姿は、中央公園の方を見て何か話している。僕は意識を岡田さんの治療にうつし、笑い話に花を咲かせた。

しばらくして整体院のドアを開ける音がした。僕は治療の手を止めて問診票を持って待合室におもむいた。

「こんにちは!」

親子二人は、ソファーから立ち上がり深々と頭を下げてあいさつした。

「よろしくお願いします」

とても切実な願いがガンガン伝わってきていた。問診表を手渡し記入するようにお願いして施術ルームに戻った。

岡田さんの治療が終わり、次回の予約を取った。あれだけ頭痛で苦しんでいた彼女が、楽しみに通ってくれている。彼氏が外で車で待っている。この二人の将来が日だまりのように優しく幸せであることを心から願う。明るい笑顔の岡田さんは、ソファーに座っている新規の二人にあいさつして出て行った。ドアを開けたとき外からセミの声が激しく聞こえていた。人生が動くとき、それは、とても静かなタッチで訪れる。何事もなかったような平和な1日に彼女の人生を大きく動かす出来事がこれから起こることを誰も知らない。

「こんにちは。」

僕はB5サイズのメモ版を持って二人の前に座った。ボサノバのBGMが静かに流れてる。問診表を見ながら質問していく。

「頭痛がひどいようで、どこがどんな風に痛みますか?」

娘さんの方が答える。お母さんが付き添いでついてきたのだ。石田さんは、目がクリッとした女性で、薬の影響だろうか?少し太っていて可愛らしい顔立ちの女性である。色白の彼女の目は何かに怯え、希望を失ってるように見える。必死で笑顔を作ろうとするのがわかった。

「目の奥がガンガン痛くなって寝れないぐらいなんです。頭痛が始まったのが・・・・

 

(・・・・・続きは次回へ

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執筆者:日比 大介 (http://hidamari-shot.com/)

5年間、まったく人が来ない田舎の整体院から、「頭痛治療」に特化した整体院に変貌をとげて売上を月商200万まで持っていった男。全国で2000万人を救える頭痛治療技術の伝承のため2015年頭痛治療家を育てる日比塾を創設。後継者の育成につとめている。情熱的なトークと一人一人の身になって考える指導がウリ。一回目で効果の出る頭痛治療のビフォーアフターを素人整体師、セラピストに教えています。歌で世の中を変えることをビジョンに掲げ、ボランティア活動「肩こり体操ライブ」でも活躍中.NHK紅白歌合戦出演予定。

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